入門トレーニングのCさん。
「受験のため単語をたくさん覚えたが、読み方がわからなかった。発音記号を使って読めるようになったので、会話で使える単語が増えた。」とコメントいただきました。
english goodies 発音トレーニングでは、発音記号を使って学習を進めていきますが、
はっ、と考えさせられてしまいました。
発音記号を授業で習わなくなったのはいつからでしょうか?
30代の知人は、発音記号そのものに触れたことがないと言います。
検索サイトには、“フォニックスで単語の7~8割ぐらいは読めるので、発音記号の必要性を感じない”というコメントもあります。
フォニックスというのは、アルファベットの綴りと音のルール。
例えば、stamp は、「s」「t」「a」「m」「p」それぞれのアルファベットが表す音をつなげて読む。
英語発音記号は、
英語の音を、どの言語の人でも「この音」と同じく認識するための記号。
stamp のa は [ æ ]ですので、 [ æ ]の音を出す。
[ ɑ ]でも [ ʌ ]でも[ ə ]でもない。
[ æ ]を確実に出すために、 [ æ ]の出し方、他の音の出し方、使い分け練習をします。
日本の英語学習の現場にフォニックスが導入されて15年ぐらいでしょうか。
私の前職の英会話スクールでは、幼稚園の時にフォニックス学習をスタートしたお子さまが小学生高学年になって、
簡単な本をすらすらと読めるようになります。
でも、問題は、発音がカタカナ発音のままです。
英会話スクールのフォニックス指導では、規則を理解して読める、という目標は達成しますが、
発音の精度を高めるところまではいきません。
アメリカで暮らすなど、周りの人が正しい発音で会話しているのを常に聞く環境ならばよいのでしょうが、
日本で週に一度習う程度では、習った音を、結局自分の知っている「カタカナ」へ変換してしまいます。
そういう意味で、
説明が理解できる中学生以上の年齢になって、
発音記号を使い、音の違い、音の作り方、音のルールを学ぶことはとても重要だと思います。
Cさんですが、
英検2級に必要な単語数は、累計5700語という試算があります。
それだけの単語数を、カタカナで覚えてしまっている。
表現力をぐっと高めて、相手とのコミュニケーションの楽しさを学ぶステージにおいて、
多くの単語を知っていても会話で使えない。
そこを、発音学習が次のステージへと後押しします。
発音記号を知らない方は、覚えるのが少し大変ですが、数は限られていますので安心して頑張ってください。
トレーニング6回目ぐらいから本格化するスピーチ練習で、発音がネイティブ発音にぐっと近づいてくると、目がキラキラ輝いてきます!
90分のトレーニングが終わった時は、「あ~、おもしろかった!」と、うれしいつぶやきが聞けます。
自分で狙った音を確実に出すためには、発音記号=だれでもが「その音」と共通に認識できる記号は、とても便利で大切なものです。